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読む人を選ぶ書だと思うし、自分には合わなかった。著者の考えや行動、修復的司法そのものにも何一つ共感できないかもしれないし、人によっては嫌悪感すら覚えるかもしれない。 作品紹介の通り本書は著者の体験談と思考の変遷の「自分語り(p.198)」であり、研究で分かった成果の記述でもないし、多くの人が読んで楽しくなったり、希望を見出したりできるエッセイでもない。著者が「自分はそう感じた」ことなので明確なエビデンスはなく納得感は薄い。 一方で性暴力(≠性犯罪)当事者であり、それを大きな転換点として修復的司法の研究者となった立場の人の語りは興味深い。 また、有名な暴行脅迫要件への指摘にとどまらず、「性犯罪」と「性暴力」の違いを指摘した点、さらに2020年度の内閣府調査では無理やり性交された男女で警察に相談したのは5.6%で殆どの被害者が刑事司法制度にアクセスすらしていないという指摘をした第一章は重要だと思う。 また、本来は人による、複雑すぎる、もはや言語化不可能なサバイバーの体験と思考を深く考察し文章化するという試みの意義や、今まで「自分の物語」に出会えなかった特定の人の前例と救いになる可能性を感じた。 こういったテキストを見る機会が今後増えれば読みたいとも思う。

精神的につらくてつらくて、お守りとして買いました。思ったより明るい感じで書いてあって、そして詳しく読みやすかったです。少し元気でました。